特集

主張

職場と法律(10) 税務システム係

機械を扱う「税金屋」

   私の職場は財政局の主税課税務システム係です。仕事は税金のオンラインシステムの運用です。サーバや区役所に設置された約1000台の端末の管理も行っています。大規模なシステムは普通に動かすだけでも結構手間がかかりますが、一般の人は「システムは動いて当たり前」と思っているので、何かミスがあってシステムが止まるとすぐ新聞にのってしまいます(笑)。
 また、景気対策でこのところ毎年のように大規模な税制改正があるので、システム改修も大変です。システム改修には税制度の知識と現場の理解が必須なので、区役所での実務経験者が多いです。だから、コンピュータ関連の「機械屋」としての仕事が多いですが、基本的には「税金屋」なんですね。
 税職場では、平成10年度と比べると300人近く減員しています。さらに市税事務所への集約化で200人以上の削減を強行しようとしていますが、もはや事務改善の余地はほとんどないです。だから集約化してスケールメリットを追求するわけですが、それだけではなく、事務処理の委託や嘱託職員の大量配置も計画されています。委託といえば聞こえはいいですが、委託先で雇われる人の賃金が高いはずはなく、市役所が率先してワーキングプアを作り出すことになりかねないです。効率化ならまだしも、そうまでしてやる意味はないと思う。
 税の制度はどんどん複雑になっていて、充分な知識がないと説明ができません。市民税や固定資産税など、税関係の係をぐるぐるまわって初めて一人前です。専門性を高めて、そういう人材を育成しやすくすることは、税金屋としては重要なことだと考えています。でも、税は福祉や国保、年金とも深い関係があるので、区役所窓口に税の知識のある職員がいなくなることが住民サービス低下にならないような対策を考えないといけないですね。

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