指定管理者制度研究報告会
指定管理者制度研究会報告
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指定管理者制度研究会報告
政府・財界が推進する「構造改革」路線、規制緩和や民営化の流れは「格差と貧困」を拡大し、国民の生命を脅かすところまできています。
指定管理者制度は、地方自治法の改悪により「公の施設」の管理運営を民間に開放する主要な手法として導入され、03年9月から施行されています。
指定管理者制度を適用した公の施設は全国で6万施設を超え、名古屋市でもレクリエーション・スポーツ施設、産業振興施設、福祉施設など409施設(08年4月現在)にのぼっています。また04年度から制度を適用した児童館・福祉会館などは08年4月に更新時期をむかえ、選考作業が進められてきました。その後に適用となった施設も順次、更新の時期をむかえることになり、多くの労働者が雇用と賃金、労働条件の切り下げに直面することになっています。憲法が保障する「人間らしく生きる権利」の財源カットの手法となっています。
名古屋市では07年3月に行財政集中改革計画が策定され「民間委託等の推進」がかかげられています。「公の施設のあり方に関する報告書」(07年3月)でも「民間参入を進める」と明記され、19年度に実施された行政評価では342にのぼる公の施設の管理運営について大がかりな評価作業を行い、アウトソーシング推進の実施結果を明らかにしました。福祉施設ではコスト削減を理由に、老人ホームや障がい者作業所などを新たに民営化、指定管理者制度にゆだねていく動きが強まっています。
名古屋市職労は「住民の福祉を増進する目的をもって市が設置する公の施設は公設公営が原則」との立場に立ったうえで、すでに導入されている施設についても「公の施設」として質の向上、労働条件の改善をめざすことが重要と考えています。指定管理者制度に移行した職場の実情や問題点を明らかにし、市に対して必要な要求をしていくことが緊急の課題と位置づけ、秋から研究会をたちあげ検討を進めてきました。
5月、埼玉県ふじみ野市の市営プールで、吸水口に女児が吸い込まれて亡くなった事故で、さいたま地裁から当時の担当職員に有罪判決が出されました。住民のいのち、暮らし、人権を守るべき自治体として、二度とこのような事故を繰り返さないためにも、問題の背景にある「構造改革」路線とコスト削減優先のアウトソーシングの抜本的な見直しが求められています。
研究会で見えてきた名古屋市のアウトソーシングの実情、問題点を今後の取り組みの中でさらに深めていくとともに、「公の施設は直営で」を柱に運動をすすめ、指定管理者制度の改善と働く人たちの労働条件改善をめざして、共同の運動を広げていきたいと考えています。
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