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中村区役所から広がる「いのち救え」の声

全国の自治体で、暮らせる寮をつくれ

 「84番の方いませんか」。
2月17日12時30分、中村区役所の職員が呼びかけます。生活保護を求めて全国から連日100人の相談者が訪れる中村区役所。今日もすでに午前中だけで84人の相談者に応じました。
 「1人も路頭に迷わせない」と、1月だけで増えた生活保護のケースは約400件。1か月で職員5人分の仕事量が増えたことになります。
 職員の平均残業時間は96時間。昨年同月の6倍。160時間の残業に及ぶ係もあります。
 中村区役所は毎日会議を開き、改善等を続々と打ち出しています。従来“住所がない”として生活保護が受けられなかった寮に住んでいる人たちでも生活保護を受けられるようになりました。また中村区役所は独自に寮を借りあげて、職と住を失った方の住居にあてています。

   中村区保護係の菅谷さんは、「派遣は『細切れ雇用』。雇用保険を払っていても、3か月も待機期間があったり、適用条件を欠く人が多数いる。まずは当該企業と当該自治体が寮に住まわせる対策をとってほしい。全国でも、失業者が自分のまちに住めるようにして、行政が応援する体制をつくることが急務」と指摘します。
 生活保護の申請に来る失業者の多くは20〜30歳台。「いまはひたすら助ける。しかしそのあとのサポートは誰がするのか。本当に生活保護の窓口だけでは人間らしく生きる意欲を引き出し生活再建までつなげられない」と菅谷さんは憤ります。

 憲法27条には働く権利が書いてあります。しかし市の臨時職員になっても生活保護から抜け出せれない賃金水準。4月にはまた首切りです。
 菅谷さんがいまもっとも危惧しているのは、生活保護を受け付けた後、1人1人の“人生を立ち直らせる”大事な仕事が滞っていること。
 「相談者がどんな問題を抱えているのか、どうコミュニケーションをとるのか。何年もの時間をかけて培った経験と技術で語りかけなければ、聞いてくれるものではありません」と菅谷さん。
 1人1人に寄り添わなければできない仕事。職員の増員と育てられる環境は火急の課題です。

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