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区役所から税務事務がなくなる!?市税事務所は中止して

区役所から税務事務がなくなる!?

   区役所は、税や福祉の事務が一体となった総合的な事務と窓口を行う事務所です。各課の職員が力を合わせて、市民のくらしを支えています。
 財政局の「市税事務所構想」は2010年に16区5支所の税務事務を区役所から切り離し、区役所の外へ3か所の市税事務所を設置するというもの。職場や市民の声をまったく聞かずに、税務事務を集中化しようとしています。
 この「市税事務所構想」が通れば、市民の声が届かない、生活応援できない名古屋市になってしまいます。 

市民が入れない“ブロイラー”事務所

   4月16日、市職労区役所協議会(区協)は緊急に大阪市と神戸市を調査しました。
 大阪市が市税事務所を開設したのは07年10月。区役所から税務事務の職員が去り、証明書を発行するために係長1人、嘱託3人が残りました。
 新しい市税事務所の1つはJR難波駅の上に建つテナントビルの中。飲食店街と同居し、窓は1つ。休憩室がなく、坪内さん(区職員)は、「大阪の市税事務所はまるで“ブロイラー”事務所。市民が気軽に立ち寄れる雰囲気はまったくない」と話します。
 神戸市の市税事務所は、納税課を市役所に集中し、税務課の名称を変更しただけ。労使合意を尊重し、当局と組合が納得いくまで話し合いを進めたため、市民を思う職員の声が反映されています。坪内さん(区職員)は、「名古屋市の財政局は、現場の声を聞くと言って、事務の進め方ばかり意見を求めてくる。区政のための基本的な議論や一致点がないまま進めては絶対にいけない」と訴えます。

市民の切り捨て許せない

   「末端の市民が切り捨てられる」と話すのは森畑さん(区職員)。「区役所には80代のお年寄りや、子ども連れの夫婦、雑談をしにくる市民もいる。ついでに生活相談をしたり、還付金の手続きを済ませたり。いまの総合的な区役所だから一度で済むんです」。
 税務事務を3か所(名駅・栄・金山)に集中すれば市民は遠ざかります。市民に「事務所に来てください」というだけでは相談にはなりません。また災害時や選挙時には職員不足で対応できなくなるなど問題は数えきれません。
 鈴木さん(区職員)は「市税事務所の目的は、職員減らしと、財政局が権限を持って税務事務を直轄管理すること」と指摘します。「当局は、区役所をどうするか、区民の生活がどうなるかは眼中になく、税金をどれだけ効率よく少ない人員でたくさん市民から徴収するかしか考えていない」。

市税事務所は中止して

   区役所協議会は今後も当局に対して協議の場を求め運動します。現状の区役所のまま、区民の声が生かされるまち、区民が自ら参加するまちにするため、市民ビラを作成・配布する予定です。

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