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【21.08.12】市長に対する声明

名古屋市職労は以下のとおり市長に対する声明を発表しました

 河村たかし名古屋市長は8月4日、先のオリンピックにおいて、女子ソフトボールで金メダルを獲得した後藤希友選手が市を表敬訪問した際、後藤選手に「首にメダルをかけるよう」要請した上に、なんの断りもなくマスクを外し、メダルを噛むという常識では考えられない行為を行いました。また、表敬訪問の中で、後藤選手に対するセクハラ発言など、看過しがたい発言を繰り返しました。
 金メダルを噛んだ行為は、感染予防の点からみても不適切な行為であるだけでなく、感染症対策に細心の注意を払いながら練習や試合に臨んでいるオリンピック選手の努力を軽んじ、敬意を欠いた著しく不見識な行動と言わざるを得ません。オリンピックメダルは選手にとって、それまでの人生の集大成であり、何人たりとも軽んずることはできない極めて重たいものですが、今回の市長の行為はそれを平然と踏みにじった下劣極まりないものです。また、オリンピックの表彰式でさえ、感染予防の観点から選手にメダルを授与する際、プレゼンテーターが選手の首にメダルをかけることはせず、選手本人が自らメダルを手に取り、首にかける対策をとっているにもかかわらず、市長は自己満足のためだけに後藤選手を感染の危険にさらしたことも指摘しておかなければなりません。
 河村市長は世論から大きな批判や、後藤選手が所属するトヨタ自動車から批判コメントが出されると、記者の前で謝罪文書を読み上げましたが、その態度は誠実さの欠片も見られず、更なる世論の怒りを呼び起こしました。また、謝罪会見でセクハラ発言を指摘されても、一切認めようとしない態度についても批判されています。名古屋市へは、市民からの市長への批判が殺到し、いくつかの部署では通常業務が行えないことなど、市政への直接的な影響も生じています。
 さらに今回の行為は、「地を這う努力」で感染症対策に直接携わる職員はもちろん、感染拡大の中でも日々の業務を黙々と遂行し市民生活を支えている市職員全員の奮闘を踏みにじるものです。市長自らがこうした軽率極まりない行為を行ったことに職員一同失望を禁じえないとともに、名古屋市政の長としての資格はないと断罪されて然るべきものです。
 私たちは、河村市長の今回の行為に断固抗議し、改めて後藤選手に謝罪するとともに、一連の行為と、市政にもたらした混乱の責任を取るため、辞任することを求めます。

2021年8月11日
名古屋市職員労働組合

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